ガク・ラク・リョウ(レウ)・ゴウ(ガウ)・おんがく・たのしむ・ねがう


象形。本義は樂器。木の柄のある手鈴の形。
これを振って、その楽音をもって神を楽しませる。

〔字形〕櫟(栗に似た「くぬぎ」)の元字。六上に「鼓(ふりだいこ)の形に象る。木はその虚(楽器をかける台)なり」という。また絃楽器の象形とする羅震玉(らしんぎょく)らの説もあるが、上部は鼓や絃の形ではなく、小さな鈴の左右に糸飾りを付けている形。金文第二字はこれに「白」の声符を伴った字である。契文は「絲」と「木」の会意の字である。

〔字音〕唐韻では「樂」は「玉角切」(ガク)であり、「櫟」は「郎撃切」(レキ)であるが、また広韻には「歴各切」(ラク)の音もある。金文で「白」の声符を伴うのは、この櫟に黒心櫟、白櫟、綿櫟などの種類があって(六書故巻二十一)、特に白櫟を区別するために加わったのかもしれない。あるいはまた「櫟」とは秦地の音で、通常は「柞(さく)」といったところから加えられた声符であるかもしれない。ともかく「木蓼(もくりょう)」といわれた。柞蚕がこの木の葉を食って糸を作ったから「絲」と「木」の二字で会意の字とした。

〔字義〕櫟(くぬぎ)あるいはとちの木の名である。手に持って振り鳴らすもので、シャーマンの呪具として愛用されるが、元は神楽に用いたものであろう。本来は神霊を楽しませる為のものであった。樂は古く六芸〔六藝、禮・樂・射・御・書・數〕の一つとされ、孔子も〔論語、泰伯〕「詩に興り、禮に立ち、樂に成る」といい、樂を人の修為の究極のものとしている。音楽の楽に使うのは借用である。
Reference: 三省堂「大辞林」



日本、中国の音楽用語。

中国においては、古く「声(聲)」「音」とは区別され、<樂記>には、感於物而動。故形於聲。聲相應故生變。變成方謂之音。比音而樂之。及干戚羽旄。謂之樂(物に感じて動く、ゆえに声に形る。声相応ず、ゆえに変を生ず。変じて方を成す、これを音という。音を比してこれを樂し、干戚羽旄に及ぶ、これを樂という)」とと定義され、またその疏にも、「則声音楽三者不同、以声変乃成音、声和乃成音(すなわち声、音、樂の三者は同じからず、声をもって変ずれば、すなわち音を成し、音和すればすなわち楽を成す)」とある。これは音楽の要素として観念的な概念が「声」であり、実際的な表現の単位が「音」であって、その「音」が集まって「樂」となるというような用語法であったと思われる。しかし後には、「音楽」と熟して現代の「音楽」の概念に近い語として用いられた。

日本での「樂」の初見は、<日本書紀>の持統天皇六年(六九二)三月廿日の条であるが、その訓については、アソビと訓じて日本古来の音楽を指し、ウタマヒと訓じて外来の樂を指すなどの諸説があるが、なお検討を要する。雅楽寮では和楽の楽人は歌師・歌人、舞師・舞生などとし、唐楽などの楽人を楽師・楽生などとしているので、この場合の楽は外来楽についていう意識が強く、和楽の「歌舞」に対応する。<残夜抄>には「か様にこゑごゑなるからくにの歌の、こわぶりをうつしまねびたるを、がくとは云うなり」として、やはり外来楽をいうものとしている。「樂」が他の語と熟して「楽人」「楽書」「楽曲」などと用いられる場合は、主として「雅楽」の意であり、単独に用いられた場合も、「雅楽」の音楽をいう場合が多い。
ただし、能や歌舞伎囃子、筝曲などでは、それぞれ特定のものを「樂」と称し、音楽一般をさしていうことは少ない。すなわち、能においては囃子事の曲名であって、黄鐘楽と盤渉楽とあるが、単に「樂」といえば前者をいう。いずれも唐人・仙童・異国風の神霊が舞うもので、中国風の音楽という意識が強い。また、能狂言の囃子事にも黄鐘楽を簡略化したものがあり、「樂」という。歌舞伎囃子の「樂」も能の「樂」を応用したもので、四拍子または大小鼓の「樂」の囃子が三味線の「楽の合方」に合わされ、これに陰囃子として大太鼓・鈴の「音楽」が加えられる。宮殿の場面の幕開き、公卿の出入り、神仏の出現などに用いられる。長唄曲では、雅楽風な感じを表す間奏として、<鶴亀><連獅子><鏡獅子><執着獅子><喜三の庭>など、「楽の合方」をもつ曲が多い。筝曲では筝組歌において、特定の曲の特殊な前奏・間奏にたいして「樂」と称する事もあるが、山田流筝曲では、とくに雅楽の筝の奏法を取り入れた特有な旋律部分をいい、<小督の曲><江ノ島の曲><長恨歌の曲><初若菜><竹生島><七福神><松風>などにある。そのほか、民俗芸能では「楽打」の略称として、その芸能または楽器である太鼓の事をいい、また「田楽」の略称としても用いられた。
Reference: 平凡社「音楽大辞典」



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